(※この記事は特定の政治思想を擁護するものではありません。また、状況は記事執筆時のものです)

橋下発言で日本政府の見解要求 国連拷問禁止委、近く対日勧告

(MSN産経ニュース)

なんてニュースがありましたが、国内メディアより国連に詳しいことを自負している私としては議事録などの原文を見たいわけです。
国連の議論は透明性が高い(はず)なので、該当する文章を探せばすぐ「その場で何が話されたのか」を理解できますし、決議文も(わかりにくいものの)一定のお約束があるので理解は容易です。

と、思っていました。
つい一週間くらい前までは。 
2013年5月24日、私は「橋下発言をめぐって国連でどのようなやりとりがあったのか」を調べるためにOHCHRのサイトを見に行きました。
そして拷問禁止委員会の50thセッションのサイトまで行き着きました。

そしたら会議前にのっけた事前資料しかアップされてないの。馬鹿じゃないのかと。
2013年にもなって国連が会議終わって一両日中に要約アップしないのどうなのよと。
しかも14日にあった対グアテマラ審理の要約(CAT/C/SR.1145)はunbisnet(国連の議事録決議文その他のアーカイブ)にアップされてるのに前掲のサイトからリンクされてない。つまり、おそらく国連はドキュメントを一括管理してない。

これが5年前ならしょうがない。しかし今は2013年である。
ここ1、2年はオープンガバメント/オープンデータがけっこう流行であり、また国連もこれらの推進に積極的である(ようなことを検索すると出てくる)

しかし、他ならぬ国連がデータ公開に関して全くオープンデータの体をなしていない。
基本的にはPDFとdocとxlsの嵐。最近UNdataってのができたらしいけどAPIとか一切ない。xlsで落とせるけど、基本的に「外から使う」ってシチュエーションを想定してない。アホか。それはオープンデータじゃないぞと。

これがアメリカだと、APIなんかも整備していてどんどんマッシュアップしてくれと言わんばかりの構造になっている。
たとえば、USAIDのDeveloper Resourcesを見るとかなりのデータがAPIを叩いて呼べるようになっている。 こういうのが理想。

それにひきかえ、国連はどうだ。
遅い、検索性が悪い、機械的に処理しにくい。ふざけんな。これが2013年か。それでUnited Nations名乗る気か。全世界から即時検証できるようにしろ。

自前のデータ公開すらクソな状態でオープンガバメントやオープンデータを推進しようなんて言っても説得力ないですよ。国連さん。